ジェイソンアーロンのソーを読みたい(後編)
ジェーンからオーディンソンへとソーの冠が戻り、ウォーオブザレリムズも間近。
話数的には終わりも近くなってきたが、ここからの盛り上がりが多すぎて終盤戦とは言い難い。スピードマックスで最後まで駆け抜ける。
そして、ここまでくると前回までのような似たような名前のコミックで迷う必要もなくなる。
(※本記事では、WotRに関してはタイインは含まず、ソー誌と本編のみの紹介となる。同氏がライターを務めるアベンジャーズ(2019)も余裕があれば読んでいたら楽しいかも…?一瞬言及があるので。)
前編と中編も良かったら見てね!
前回同様にアーク毎に紹介する。
Reborn & Road to WotR編
ここからオーディンソンが再びソーとなり冒険を始める。現在のソーが存在する理由となる過去編、そして現在のソーが向かう未来編も合間に挟まり初期のゴッドブッチャー編を思い出させるスタイルに。現在の時系列では、予言されているWotRのために、できうる最大限の備えをするこの章。
Thor (2018) #1 - 11まで、TPBは下記の2冊。収録に関してはそれぞれ#1-6、#7-11となっている。
- Thor Vol. 1: God Of Thunder Reborn $10.99
- Thor Vol. 2: Road To War Of The Realms $8.99
また、この2冊分はこちらにも収録されている。イシューだとThor (2018) #1-11になる。
- Thor by Jason Aaron Vol. 4 $19.99
前巻のVol. 3まではBy Jason Aaron & Russell Dautermanと連名だったが、ラッセルが2018年のソー誌のメインアーティストではなくなったのでジェイソン1人の名前のみになったのだろう。
その結果、コンプリートエディションと名前が非常に近くなり、「このコミックで終わりまで読める」と思って買うという勘違いが生まれる。(Thor(2018)を収録したコンプリートエディションは、2021/10/16の今のところ存在していない。)
War of the Realms本編
九つの世界を征服するため、残ったミッドガルドへとDark Councilを率いてマレキスの最後の侵略が始まる。
ここまで紹介したコミックを読んできたなら、興奮しっぱなしで読み進められるに違いない。ここだけ読んでも、大丈夫ではあるが絶対にこれ以前を読んでいれば10倍は楽しめるので思いとどまってくれ。そして、楽しいのも分かるが一気に6話読み切るのも待ってくれ。次の章で説明する。
War of the Realms #1-6の全6話で、TPBは下記の1冊。
- War Of The Realms $10.99
While War of the Realms/After the War編
WotRの間と終戦後の出来事をソー誌で描くこの章。タイイン程に本編に対して影響があったり重要であったりするわけではないが、どの登場人物の物語も切なく、より良い自分になろうともがく様が素晴らしく美しい。
せっかく購入したのであれば本編とリンクさせて楽しもうではないか。
イシューとしてはThor (2018) #12-16、TPBはこの1冊。
- Thor Vol. 3: War's End $8.99
以下にWotR編とこちらのソー誌合わせたストーリーのタイムラインを示す。これを参照にしながら読み進めてくれると嬉しい。
上から順に読んでもらえば問題ない。ただここで注意してもらいたいのがThor#14だ。これはWotR#6を別角度から描いていることだ。なので、WotRを読み切ってからこちらを読むもよしだが、一番のオススメはこうだ。
まず、WotR#6を読み進める。そして、この回の2度目のニューヨークのシーン(表紙を入れず、見開きを2ページとカウントして13ページ目)に入ったところでThor#14に。それを読み終えたら、WotRに帰ってくるとベストな体験ができる。
正直めんどくさく、こんな苦労をする必要もないのかも知れないが、7年間の集大成なので大目に見てくれ。
King Thor編
ずっと先の未来。全てが終焉に向かう中、一人それに抗う神がいた…
2012年から続いたジェイソンアーロンの最後のソーの物語。相手も不足無し。ソーの物語の完結をしかと楽しもう。
(余談だが、このキングソーはシビルウォーII終盤でユリシーズが見た未来が実現した形となっている。)
King Thor (2019) #1-4でTPBは下記の1冊。
- King Thor $6.99
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今回は複雑ではないので必要ないと思うけど、一応、本記事をまとめた表を下に貼ります。
======あとがき============================
3本に渡って、ジェイソンアーロンのソーをアークを淡々と羅列しただけだったが、
この記事がこのコミックを手に取る後押しにでもなればと思って書きました。
記事を書こうと思った発端は、自分がコミクソセールの度に少しづつ購入していたのですが、ジェイソンアーロンと名前の入ったバージョンが複数存在していることに気付かず、間違って購入した事でした。それから、ツイッターで度々、ソー誌を買いたいけど紛らわしいという声を見かけ、自分以外もそう感じるなら、と思い書きました。本当に、本当に面白いシリーズで一人でも多くに読んでもらいたい。作者でも何でもないんだけど、いちファンとしてこのシリーズが大好きだから書きました。
「ポリコレ配慮をするとつまらない」とよく聞くがこのシリーズを読め!と一人一人に言って回りたくなるほどに、ストーリーは時に爽快で面白く、時にエモーショナルで心苦しくなるものだった。またジェーンのソーも言わずもがなカッコ良く、ヒーローとして”相応しきもの”として存在していた。ただ女性だから白羽の矢が立ったわけでなく、長年ソーの近くで見ていただけあり、何をすべきかを理解しており、彼女がミヨネアを持ち上げたのは必然。
今回は特にオーディンに悪い父親の面が見て取れた。アスガルドの面々も見て見ぬふりをする中、ただのジェーンが全能のオーディンに立ち向かうさまは、意味のある光景であった。またフリッガがオーディン相手にはっきりと物申すことができる数少ない人物であったのも重要であった。
要点をまとめると、配慮(ポリコレに配慮するという言い方も違和感があるが)したからと言ってつまらなくなることなんてないし、現実で起きている問題を作品に投影できるのはアメコミのいい点であり、一種の強さにすらなり得ると僕は思っています。
こんな駄文に付き合って頂いてありがとうございました。
せっかくブログを立ち上げたので、他のアメコミに関してや、2月に投げ出したミズマーベルについての記事でも書こうかなと思っています。
繰り返しになりますが、読んでいただきありがとうございました。